画像福島県相馬市。東日本大震災で甚大な被害を受けた同市に、昨日(15日)、ようやく届いた最初の物資は、遺体を入れる棺、200個だった。
地震が発生し、10メートルを超える大津波に襲われた相馬市では、30カ所以上の避難所があるが、廃校となっている旧県立相馬女子高校には、公式発表の死者数を大幅に超える百数十体の遺体が運び込まれており、海側の浸水地域などには、少なくとも300〜400体の遺体が回収できず浮かんでいるもようだ。
各避難所によれば、食料、ガソリン、灯油、医薬品、生理用品などが不足しており、救援物資を1日も早く届けてほしいと県など各関係方面に連絡しているという。だが、地元の関係者によれば「昨日ようやく届いたと思った物資は、棺200個。東京の葬儀会社が運んできてくれたようだが、原発事故のあとだけに、棺を届けたあとは、すぐ帰って行った」。
福島県中通りの国道4号線から福島市と相馬市を結ぶ国道115号線を通って、その東京の業者は10トンの大型トラックで棺を運んできた。
「道路は寸断されているわけではなく、救援物資は十分、輸送できる。なのに、なぜ棺だけなのか。食料もガソリンも一切、支援物資は届いていない」と地元の関係者は怒りを隠さない。
しかも、原発事故後、南相馬市から相馬市の避難所へ移ってくる人も多く、一部避難所は満杯状態。トイレなども満杯状態で衛生状態もよくないという。「とにかく早く救援物資を送って欲しい」。地元からの悲痛な叫びがあがっている。
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